間取りを注文

間取りの自由度はどれくらい?

お煎餅を齧りながら時計の秒針を目で追いつつ「よし家を建てよう」と決心した時、 頭にイメージした家、心に思い描いた住居を実現させるのは注文住宅になるでしょう。 分譲住宅でや建売住宅だとどのように完成するか決まっているので、自分の理想 とする間取りや外観、内装や設備があったとしてその通りの住居を探したとしても、 一致する物件を見つけるのはよっぽど運がなければ無理でしょう。 こんな家に住みたいと自分のイメージする理想の住居があるのなら、分譲住宅の中 から探すよりも注文住宅で全てを設計したほうがイメージ通りの住宅に住める確率は 飛躍的にアップすることは間違いありません。 それでは注文住宅とは一体何を注文するのか、そんな素朴な疑問を持つ方もまだまだ いらっしゃると思いますが、ほぼ全てです。 その中でも肝心な部分としては部屋の間取りになるでしょう。 ここにリビングがあってキッチンがある、2階には寝室と洗濯物を干せるベランダが 広々とある、などといったことを全部自分で決めて注文することができるのです。 でも間取りを好きに決められるといっても100%自由に注文できるわけではなく、 超えてはならないラインというのが存在します。

部屋の明かるさや風通しを考えた設計

例えば50坪の土地に家を建てるとして、「きりのよいところで100部屋欲しい」 と注文をしたら請負う側は頭を抱えてしまいます。 「100坪の土地があるから100階建ての和風の家を建ててくれ」と注文しても 同じように頭を抱え込むか、乱暴な相手ですとこちらが頭をひっぱたかれてしまいます。 注文をすることができるとしても物理的に無理なオーダーは通りませんし、それを判断 するのは建設予定地として用意された土地の形状になります。 いくら豪邸を欲してもそのお城のような住居を建設するのに充分な広さの土地がなければ 設計するまでもなく夢物語で終わってしまいます。 注文住宅を所望するのなら土地の形状や周囲の環境を無視することはできず、これ抜き では設計図を制作しても無意味になってしまうでしょう。 これから家を建てようとする土地がどこになるのか、面積は狭いのか広いのか、平坦地 なのか斜面や段差がないか、道路に面している方角は東西南北のどちらか、住宅街 なのか誰も足を踏み入れないような山奥なのか、そうしたこともわからないままでは 間取りを決めても最良の住宅にはなりえませんし、それ以前に考え抜いた素敵な自分 だけの間取りを実現することが無理という現実を宣告されるでしょう。 どんな特徴を持った土地かによりふさわしい間取りも変わってきますし、地域的な ことにも目を向けないと居心地の良い住居にはなりません。 これだけ欲しい部屋があるからと適当に配置しても生活しやすい家にはならないのも、 ビギナーが陥りやすい間取りの罠なので気をつけましょう。 日光を取り入れて明るくて暖かな家庭を築くことも計算しなければせっかくの注文 住宅も台無しですので、どこから光が入ってくるか、風の通り道はどうなるかも しっかり見定めて間取りを考えるのが一流の設計士です。 同時に生活動線も家族分考えながら各部屋の配置を決めることになります。 主婦はキッチン、お風呂場を頻繁に利用しますし、子供達はリビングと子供部屋を 毎日何往復も駆け抜けますので、その距離がなるべく短くなるように、そして各人の 動線があまり重ならないような間取りがファミリー向けの間取りとして最適です。 どんな部屋がいい、とか見た目に捉われすぎた間取りではなく、実際に生活することを 念頭に置いてその姿をイメージしながら、こうしたことにも細心の注意を払い快適な 暮らしを約束してくれそうな間取りを実現する、そうでなければ分譲住宅の万人受け するテンプレート的な住居の方がましになってしまいます。 全て自分で決められる分自由度も高いので、自信がないのなら達人に知恵を借りたり 先輩に助言を求めながら進めていきましょう。。